家族

長女のマラソン大会

結局マラソン大会は決行された。

まあ、果然は強かったが夜中ほどの強さではなくホッとした。

それにしても長女は自分に似て足が遅い、自分に輪がかかってもっと遅いようだ。

しかし、自分と大きな違いがある。

それは誰に何と言われようが、悪びれず自分のペースで走っているようだ。

自分はどんなに遅くても、さすがに最後が嫌だから、心臓がバクバクして破裂するんじゃないかと思うくらい、無理して走ったもんである。

こんな走り方がいい訳がない。

しかし、娘はゼイゼイ言わず自分のペースで最後ではあったが完走した。

どうやら何人かの友達たちに ”走ってない、歩いてる!” ってからかわれているようだ。

それでも自分のペースを守っている。

別に娘は怠けているのではない、実際に足が遅いだけで、彼女なりに真面目に走っている。

とにかく嬉しかったのは、最後でも悲壮感を出さず、堂々としていていたし、目が死んでいなかったことだ。

この点は全然親父である自分より立派なものである。

娘がすごくたくましく感じ、自分にとっては1番になるより価値があることだと思う。

大人になってからはマラソンで1番になるより、物事に動ぜず自分のペースでコツコツやることの方が大事だから。

冬にマラソンをさせることに否定的な時分であったが、そういう意味で何か得るものがあったような気がした。

今日ほど自分の娘が誇らしく感じたことはない。

 

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